【2021/01/01】2021年 新型コロナウイルスが広がる元日(他5本)

2021

コロナ禍両陛下のメッセージ 「希望持って歩める年に」

 2021年、天皇ご一家は新年を迎えられた。

 この機会に天皇陛下と皇后さまは、国民に向けてビデオメッセージを公表した。
天皇陛下は新型コロナウイルスの感染拡大に触れ、「今年が皆さんにとって、希望を持って歩んでいくことのできる年になることを心から願います」と述べた。
皇后さまも「今年が皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします」と語った。

 天皇陛下が国民に向けたビデオメッセージは、上皇さまの在位中に東日本大震災直後や退位の意向をにじませたお気持ちを表明したことは2度あったが、陛下自身は初めて。
また、宮内庁によれば、皇后さまのビデオメッセージも初めてのもの。

 仕事や住まいを失った困窮した人々のことを心配し、感染者に対する差別や偏見についても懸念した。

一方で、こうした人々を支える活動をしている方々の努力には「勇気付けられる思いがいたします」と述べた。
そして、人類はこれまで何度も、疫病や自然災害を乗り越えてきたとし、「人々が将来への確固たる希望を胸に、安心して暮らせる日が必ずや遠くない将来に来ることを信じ、皆が互いに思いやりを持って助け合い、支え合いながら、進んで行くことを心から願っています」と話した。

マレー高速鉄道撤回 財政悪化とコロナが起因

 シンガポールとマレーシアの政府は、マレー半島を結ぶ高速鉄道計画を撤回すると発表した。

 マレーシア側は財政悪化を懸念し、事業の延期を提案していたが、再交渉で合意点が見いだせずにいた。
新型コロナウイルスの経済悪化も、この判断に影響を与えたと考えられる。

この計画は、シンガポールとマレーシアの首都クアラルンプールを結ぶもので、2013年に基本合意。この計画では、約350キロの距離を1時間半で移動することが想定されていた。日中韓の企業も入札に強い関心を示していました。

【備考】のちに日本は入札を断念。その後、鉄道の撤回が発表された。ただ、2023年、マレーシア政府は高速鉄道の再開を検討と発表。マレーシア政府の財政が問題で撤回となった計画なので、再開は容易ではないが、もし将来的に実現すれば、世界的に大きな話題となるだろう。

英EU、離脱後の混乱に警戒

 イギリスは2020年12月31日の夜(日本時間では2021年1月1日の朝)に、欧州連合(EU)から完全に離脱した。

これにより、EUとの取引に通関手続きが追加された。
年明けの1日は大きな混乱はなかったが、一部で通関手続きの不備による問題が早速発生し、地元当局は警戒を続けている。

 イギリスとEUは、2020年下旬に自由貿易協定(FTA)に基づいて、関税ゼロの貿易を継続することで合意したが、イギリスとEUをまたぐ貿易では原産地や安全性の証明、税関申告などが必要となった。

 報道によると、イギリス南東部のケント州では、心配されたトラックの渋滞は見られなかった。
港湾当局や海峡トンネルの運営会社は、フェリーの発着が円滑に進んでいるとコメントしている。ただし、通関検査の混乱を警戒し、多くの業者が年明け直後の国境越えを避けた可能性がある。

 一方、イギリス西部からアイルランドへの船で運ぶ予定だった積み荷の一部が、書類不備のため差し戻された。

2021年 新型コロナウイルスが広がる元日

 2021年の元日は、新型コロナウイルスの流行中であったため、各地の神社では感染拡大を防ぐための対策が行われた。
例年と比べて初詣客の数は減少し、感染終息を祈りながら参拝する人々が手を合わせました。

 東京都渋谷区の明治神宮では、通常は大みそかから元日にかけての終夜参拝が行われるが、この年は中止され、感染対策として参拝者同士の間隔を空けるための目印も設けられた。
神職の方は参拝客が増える可能性もあると予測していたが、実際には昨年の半分以下の人数。

 また、飲食できる店舗は境内から姿を消した。
それに残念そうな表情を浮かべる人もいたが、参拝者は比較的少なかったため、安心してお参りすることができたという声もあった。

 神戸市の生田神社でも参拝者はまばらで、例年のような行列は見られなかった。

 百貨店などで行われる初売りも、例年よりも客数が減少した。
大阪市中央区の高島屋大阪店の初売りでは、例年と比べて9割以上の客数の減少があった。人々は必要最低限の人数で来店し、感染のリスクを避けるようにしていた。

【備考】このように、新型コロナウイルスの影響を受けて、今年の元日は例年とは異なる様相を呈した。しかし、それでも多くの人々が、感染終息を願いながら静かに新年を迎えた。今年いっぱい、日本人は我慢の年になる。

コロナ規制の中仏で2000人超が闇パーティー

 フランス西部のリユロンで、新型コロナウイルス対策の規制に違反したダンスパーティーが行われ、約2500人が集まった。
パーティーは12月31日夜から翌日の夜まで続き、地元メディアが報じた。
参加者はベルギーなど国外からも集まり、テクノ音楽に合わせて踊り明かした。

 警察がパーティーを中止しようとすると、多くの参加者が、車両を放火したり石や瓶を投げたりなど激しく抵抗。
警察は周辺を囲み、出てきた参加者に罰金を科し、新たな入場を防止。救急隊員は消毒液やマスクを配布した。

【備考】フランスでは新型コロナ対策として、夜間の外出や多人数の集会が禁止されている。だが、自由に対する関心がもっとも高いフランス人にとって、拷問に等しい対策かもしれない。

新型コロナ感染、米で2000万人超

 米国では、新型コロナウイルスの累計感染者数が2000万人を超えた。

感染者数が1000万人を超えたのは11月上旬から約8カ月後であり、その後2カ月足らずで倍増した。
カリフォルニア州南部では、感染力の高い変異種が広がっている可能性も指摘されている。

 ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国内の新型コロナ感染者数は累計2007万人を超え、死者数は累計34万6000人超。これは国内でもっとも多い数字だ。
12月31日の1日あたりの新規感染者数は22万7000人で、2週間前のピークに比べて約1割減少したが、まだ高い水準にある。

 米国内の累計感染者数は、カリフォルニア州が229万7000人でもっとも多く、続いてテキサス州(176万6000人)とフロリダ州(132万3000人)。
カリフォルニア州では、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数が全米平均を上回り、州内でもっとも多いと報告されている。

 またカリフォルニア州南部のサンディエゴ郡では、英国で確認された感染力の高い変異種の感染者が4人見つかった。
これらの感染者は男性であり、相互に接触した形跡は確認されていない。郡当局は変異種が地域社会に広がっていると考えており、今後数日から数週間でさらに多くの感染例が確認される可能性があると述べている。

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