中小企業も景況感改善 先行きは悪化
日銀が発表した、12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、中小企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、全産業でマイナス18だった。
前回の9月調査から、13ポイント改善した。中小企業の景況感の改善は、2四半期連続。ただ、3カ月先の景況感を示す先行きは、全産業で5ポイント悪化の、マイナス23を見込んだ。
製造業の景況感は、17ポイント改善のマイナス27。
非製造業は、10ポイント改善のマイナス12だった。非製造業の改善幅は、昭和58年5月に調査対象に加えて以来、最大となった。
自動車生産の回復の恩恵や、堅調な巣ごもり需要を背景に、幅広い業種で改善した。
中小企業は、大企業に比べ先行きを慎重に見る傾向が強く、3カ月後にかけては、新型コロナウイルス感染拡大による、個人消費の落ち込みを懸念する声が多かった。
東証一時200円超上昇 米ワクチン接種開始に期待
週明け午前の東京株式市場の日経平均株価は反発し、一時200円超上昇した。
新型コロナウイルスワクチンの接種が、米国で近く始まるとの期待から、市場心理が明るくなった。
午前10時現在は、前週末終値比164円38銭高の2万6816円90銭。
米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンは、前週に英国が接種を始め、米食品医薬品局(FDA)が11日に緊急使用を許可した。
コロナの世界的流行が、将来的には収束に向かい、経済活動が持ち直すとの期待につながった。11月末以降、取引時間中に連日のように到達している2万6800円台に、改めて乗せる場面があった。
一方、国内の感染状況の深刻化には懸念がにじんだ。
2万7000円の節目を前に、高値圏での推移が続いていることから、相場の過熱を警戒した売り注文もみられた。
映画「鬼滅」300億円超え「千と千尋」以来
東宝とアニプレックスは、配給するアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃(やいば)』無限列車編」の累計興行収入が、302億8900万円に達したと発表した。
日本で上演された映画作品の中で、300億円を超えたのは、2001年に公開された宮崎駿監督アニメ「千と千尋の神隠し」以来。
吾峠呼世晴さんの人気漫画が原作の「鬼滅」は、10月16日の映画公開を受けブームが一層加熱。
今月4日には原作の最終23巻が発売され、多くの書店に早朝から熱心なファンが長蛇の列を作った。
全国紙5紙の4日付朝刊には、キャラクターが描かれた全面広告が掲載されたほか、新語・流行語大賞に「鬼滅の刃」が入選している。
興行収入の歴代1位は「千と千尋」の308億円で、現在2位の「鬼滅の刃」が、いつ超えるかが次の焦点となる。
浅香光代さん、膵臓がんのため死去 92歳
「女剣劇」で活躍した、俳優の浅香光代(あさか・みつよ、本名・北岡昭子=きたおか・しょうこ)さんが、膵臓(すいぞう)がんのため東京都内の病院で死去した。92歳。
葬儀は近親者のみで営む。
子役として舞台に立った後、東京・浅草を中心に活動して、女剣劇全盛時代を築いた。その後、俳優として舞台、映画、テレビなどでも活躍した。
GoTo停止 国交省や観光庁徹夜で対応
菅義偉首相が発表した、「Go To トラベル」の全国一律の停止は、所管する国土交通省や観光庁の現場には、発表直前まで伝えられていなかった。
突然の決定を受けた関係省庁は、トラベル事業の停止に伴う、キャンセル料補償の割合などの詳細を詰めるため、徹夜で対応。国交省関係者は「いきなりですよ…。大変ですよね。仕方ないけど」とつぶやいた。
国交省関係者によると、菅氏が14日午後6時半過ぎに発表した時点では、観光庁の課長級には、全国一律の停止の方針は伝わっていなかったとみられる。
このため観光庁は発表後、すでに新規予約を停止していた大阪、札幌両市や、感染拡大が顕著な東京都の扱いなどを急(きゅう)遽(きょ)、検討した。
こうした“突貫工事”を経て、午後7時過ぎに取材に応じた赤羽一嘉国土交通相は、東京都を目的地とする旅行を「14日から一時停止」と発言。しかし、観光庁は15日午前3時過ぎに「18日から27日まで一時停止」と、訂正文を発表するなどの混乱もみられた。
さらに15日午前11時に、赤羽氏が会見でキャンセル補償は旅行代金の半額と発表するまで、「半額」を主張する国交省と、「35%」を主張する財務省の間の調整も進められていたという。
国交省関係者は、「11日に政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が停止を提言した際には、まだそういう雰囲気はなかった。決定は直前ではないか。国交省で決めたのではないはずだ」と話している。