超小型衛星数千個を編隊飛行
ロケットベンチャーのインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)は、令和3年の年明け早々に設立する、全額出資子会社を通じて、衛星事業に参入すると発表した。
ロケット事業は、開発から打ち上げまでに、多くの時間と資金が必要となる。
より短期で資金回収できる、衛星事業との組み合わせで事業基盤の強化を図る。
新会社「Our stars(アウアスターズ)」は、ピンポン玉大の極超小型衛星数千個の編隊飛行による通信インフラの構築、超低高度(高度150~200キロ)を周回する衛星による、地球観測サービスなどを手がける。
さらに、2024年の国際宇宙ステーション(ISS)の運用終了を見据え、タンパク質合成など宇宙空間でのさまざまな実験を、企業や研究機関などから受託する。
ISTは軌道投入ロケット「ZERO(ゼロ)」を、令和5年の打ち上げに向けて開発を進めている。
だが、創業者で新会社の社長に就く堀江貴文氏は同日、現地での記者発表会で「別の打ち上げ手段を活用することもありうる」と述べ、ZEROの打ち上げよりも前に衛星事業を始める可能性があることを明らかにした。
ISLはZEROの組み立てや開発を進めるため、大樹町に新しい本社棟と工場を建設した。
工場棟は平屋建てで建築面積は809平方メートル。従前から手がけている小型観測ロケット「MOMO(モモ)」も含めて、複数のロケットを同時に組み立てられる。
本社棟は2階建てで延べ床面積は約1千平方メートル。1階は部品の組み立てなどの作業場、ロケットに載せる荷物(ペイロード)の保管室がある。
量子暗号 金融分野への導入検証
国内の金融業界で「究極の暗号技術」といわれる、量子暗号の導入に向けた試みが始まる。
野村ホールディングス(HD)や情報通信研究機構、東芝などは、株式取引などのデータ伝送に利用するための検証に乗り出すと発表した。
高速の取引処理や大容量の通信に対応できるかを探り、将来の活用の検討に生かす。
量子暗号は守りたいデータを暗号化したり、元に戻したりするのに必要な「鍵」の情報を「光の粒」である光子を使って送る技術。
第三者による不正な解読が原理的に不可能とされ、情報漏洩のリスクを抑えられる。
サイバー攻撃の脅威が高まり、金融業界では顧客情報保護などの重要性が増している。
世界で次世代計算機の量子コンピューターの開発が進み、現在普及している暗号技術が無力化される恐れも指摘される。こうした課題への対応として有望視されるのが量子暗号だ。
北京~上海間に、巨大なネットワークを築く中国が先行して導入を進めるほか、米欧でも検討が活発化している。
量子暗号による通信を株式取引に用いる場合、瞬時に応答する高速性や膨大な注文を処理する能力が求められる。こうした要求を満たせるか、1年以上かけて検証する。取り組みは内閣府のプロジェクトの一環で、野村HD傘下の野村証券とNECも参加する。
林家こん平さん死去 77歳
「1、2、3、チャラーン。こん平でーす」の名調子で、人気テレビ番組「笑点」のレギュラーとして活躍した落語家、林家こん平(はやしや・こんぺい、本名・笠井光男=かさい・みつお)さんが、誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなった。77歳。
葬儀は近親者のみで営んだ。後日お別れの会を開く予定。
新潟県千谷沢村(現長岡市)生まれ。
1958年、初代林家三平に入門し、72年に真打ちに昇進。80年、師匠が54歳で急逝し一門消滅も危ぶまれたが、三平の妻、海老名香葉子さんとともに一門を束ねた。落語協会の理事も務めた。弟子に九代目正蔵さん、たい平さん、二代目三平さんらがいる。
演芸番組の「笑点」(日本テレビ系)には66年の放送開始時から出演。持ち前の明るさと豪快さで客席の笑いを誘った。故郷を「チャーザー村」と呼んだり、「私の帰りのかばんには、まだ若干の余裕があります」と、土産をねだったりするギャグなどで人気を博した。
2004年5月から声の出にくい症状が表れ、同年8月、24時間テレビ「愛は地球を救う」(日本テレビ系)の出演直後に倒れて、難病の多発性硬化症と判明した。
笑点のレギュラーは06年、休演中から代役を務めていた弟子のたい平さんが継いだ。懸命のリハビリで高座に復帰したが、その後も持病の糖尿病の悪化などで闘病していた。近年は命の大切さを訴える活動を続けていた。
教室で防寒着ダメ? コロナ対策で真冬も窓全開
声を寄せた一人、福岡市立中に娘が通う母親は、今冬の防寒具に関する学校のプリントにため息をつく。
男子は学生服、女子はセーラー服で、着用できる防寒着は規定のセーターやカーディガン。マフラーや手袋は昇降口で着脱し、規定外のジャンパーやハイネックは認められない-。
例年通りの内容。教室の窓は常に全開で、生徒が閉めると叱る教員もいるため、娘は寒さに耐えながら授業を受けているという。
母親は「先生たちは自由な服装のはず。コロナ禍の今は特に、子どもも暖かな服を着られるようにすべきではないか」と嘆いた。学校側の対応力の乏しさを感じている。
加えて福岡県内の読者からは「窓を開けっぱなしにすると集中力が下がり、体調を壊す危険性もある」として、適切な換気の方法を探ってほしいとの声も届いた。
福岡や北九州、長崎や熊本などの各市は順次、マニュアルの改訂内容を各校に通知しつつ、認める服装については「各校の判断」とする。そのため同じ自治体でも学校ごとに違いがある。
福岡市立中の60代男性教員は「窓際の子には特に、規定外の防寒着も着るように呼び掛けている」と、臨機応変に対応していることを紹介する。同市は二酸化炭素濃度を測る機器を今月下旬に各校に配備し、今後の換気の目安にしてもらう考えだ。
木星と土星が397年ぶり大接近
木星と土星が接近したように見える現象が、仙台市などで観測された。肉眼で並んで見えるほどの「大接近」は397年ぶり。
二つの天体は9月ごろから近づき、最も接近しほぼ重なって見えるのは22日午前3時ごろ。
両惑星は見かけ上、0.1度(月の直径の約5分の1)まで接近するが、地平線に沈んで日本からは見えないため、21日夕が観察のチャンスだった。
仙台市天文台(同市青葉区)で開催された観察会には約100人が参加し、雲の隙間から星が見えると歓声が上がった。
次に木星と土星が大接近するのは約60年後という。