東証一時200円超安 前日高値で利益確定売り
今年最後の取引となる、大納会を迎えた午前の東京株式市場の日経平均株価(225種)は反落した。
前日、約30年4カ月ぶりの高値となったことから、いったん利益を確定させようという売り注文が先行した。下げ幅は一時200円を超えた。
午前終値は前日終値比155円91銭安の2万7412円24銭。東証株価指数(TOPIX)は12.26ポイント安の1806.91。
平均株価は29日までの2営業日で900円余り上昇しており、過熱感から売られた。外国為替市場での円高ドル安方向の動きも重荷となった。
米国で新型コロナウイルス感染拡大を巡る追加経済対策に関し、現金給付を増額する案の上院での可決は難しいとの見方が強まり、前日の米国株が下落したことも逆風となった。
東京、新たに944人感染 最多に次ぐ多さ
東京都は、新たに944人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。
1日当たりの新規感染者が900人を超えたのは、最多だった26日(949人)以来2度目。
都の基準での重症者は前日比1人増の85人で、緊急事態宣言解除後の最多を更新した。
都によると、新規感染者は20代が249人と最も多く、30代(178人)、40代(150人)、50代(136人)と続いた。重症化リスクの高い65歳以上は105人。
世田谷一家殺害20年 証拠の山だった犯人像
東京都世田谷区で2000年12月、会社員宮沢みきおさん=当時(44)=一家4人が殺害された事件は未解決のまま30日で20年。
現場には、犯人の指紋や血液など多数の証拠が残され、捜査幹部には当初、早期解決への楽観ムードさえあった。男のDNA型が検出されており、科学捜査の進歩に期待は残るが、明確な犯人像はいまだ見えない。
現場にはトレーナーやマフラー、凶器の包丁やハンカチといった遺留品も数多く残っていた。
捜査本部は犯人の身長は170センチ前後で、残されたヒップバッグのベルトの長さから腰回り70~75センチの痩せ形とみている。またバッグ内側に蛍光ペンに使われる染料が付着していたことなどから、当時15歳~20代の学生の可能性があると推測する。
犯人は外国人との見方もある。
現場の靴跡から判明した韓国製スニーカーは、日本で販売されていないサイズだった。捜査関係者によると、DNA型鑑定で、犯人の母親は欧州系の血を引いている可能性があるとの結果も出た。
また事件では、現場からは鮮明な指紋が見つかり、A型の血液が検出された。
警視庁成城署捜査本部は決定的とも言える証拠に色めき立ち、当時の捜査幹部は「これは捕まる犯人だ」と語った。その後、指紋捜査に力を注いだが、該当する人物は見つかっていない。
指紋偏重で聞き込みなどが不十分だったのではと、初動の失敗を指摘する声は少なくない。「指紋を過信し、他の捜査をおろそかにした」。別の幹部はそう吐き捨てた。
ティファニー買収 ヴィトンの傘下に
米宝飾品大手ティファニーは開いた臨時株主総会で、フランスの高級ブランドグループ「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」(LVMH)による約158億ドル(約1兆6千億円)での買収計画を承認した。来年の早い時期にLVMHの傘下に入る。
LVMHは昨年11月に約162億ドルでティファニーを買収することで合意。
新型コロナウイルスの流行などを理由にいったん撤回後、再交渉を経て買収額を引き下げることで改めて合意した。
ティファニーは1837年にニューヨークで創業し、銀製品やダイヤモンドの指輪などを販売している。
故オードリー・ヘプバーンさんが演じた主人公が、ニューヨーク・マンハッタンの目抜き通り5番街にある、主力店の前でパンを食べる場面で始まる映画「ティファニーで朝食を」は有名。
LVMHが今年9月に買収を撤回した際、ティファニー側は合意履行を求めて米裁判所に提訴。互いを激しく批判し、欧米の高級ブランドの対立劇として注目を集めた。
綿引勝彦さん死去 膵臓がん75歳
子だくさん一家を描いたTBS系ドラマ「天までとどけ」シリーズの父親役などで知られた俳優の綿引勝彦(わたびき・かつひこ)さんが昨年12月30日に膵臓がんのため亡くなっていたことが、分かった。75歳。東京都出身。
綿引さんが代表を務めた「綿帽子」が明らかにした。葬儀は近親者のみで執り行われ、喪主は夫人で女優の樫山文枝(79)が務めたという。
綿引さんは2018年8月、膵臓内の嚢(のう)胞を取り除く手術を行った際に進行性のがん細胞が見つかった。
翌19年12月には肺へ移転。昨年2月から本格的な化学療法がスタートし、厳しい副作用に耐えてきたが寛解に至らず、11月には積極的な治療は打ち切られたという。
その後は、副作用から解放され、自宅で穏やかな療養を続けた。しかし、12月25日未明に容体が急変し再入院。そのまま息を引き取ったという。
綿引さんは1965年に劇団民藝に入団し、数多くの舞台に出演して85年に退団。その後は舞台のみならず、ドラマや映画でも活躍し、こわもてから優しい父親役まで幅広く演じた。
「天までとどけ」シリーズのほか、代表作にフジテレビ「新ナニワ金融道」、映画「極道の妻たち」などがある。