視聴できなくても契約義務 NHK勝訴
東京高裁は、東京都文京区の女性が自宅に設置した NHK 放送を視聴できないテレビに関する、訴訟の控訴審判決を下した。
広谷章雄裁判長は、一審の女性勝訴の東京地裁判決を取り消して請求を棄却した。
裁判長は放送法に基づき、NHK 放送を受信できる環境がある場合に契約を強制できる仕組みがあると指摘し、女性が設置したテレビはブースターや工具を使えば NHK 放送を視聴できる可能性があると判断した。
一方、一審の東京地裁は女性が設置したテレビに NHK の信号を弱めるフィルターが取り付けられており、受信できる設備ではないとして、契約締結義務を負わない判断を示していた。
孔子廟訴訟 土地提供は「違憲」
那覇市が無償で土地を提供している「久米至聖廟」に関する訴訟で、最高裁の判断では、憲法の政教分離原則に違反していると結論づけた。
この案件は、最高裁の政教分離に関する違憲判断としては 3 例目。
久米至聖廟は琉球王国を支えた「久米三十六姓」の子孫が関わる施設だ。
市は月額 48 万円の土地使用料を免除していたが、最高裁は施設が宗教的性格を持ち、宗教的行為が行われていることを指摘し、土地の使用料免除は憲法に違反すると判断した。
偽造署名全容解明へ 愛知のリコール問題
愛知県の大村秀章知事に対するリコール運動で、署名偽造問題が深刻化し、新たな局面を迎えている。
県警は選挙管理委員会への家宅捜索で、約 43 万 5 千人分の署名簿を押収。
偽造の疑いがある署名を精査することで、不正の全容解明を目指している。
署名活動開始から 2 か月後、県選管には「名前を使われた」という指摘が相次ぎ、調査の結果、提出された署名の 8 割以上にあたる約 36 万人が無効であることが判明した。
同じ筆跡とみられる署名や、すでに死亡した住民の署名も見つかり、県選管は今年 2 月 15 日に地方自治法違反容疑で刑事告発した。
県警はこの告発を受け、県内の市区町村選管 64 カ所を捜索し、署名簿を押収。
広告関連会社が、下請けを通じて代筆のバイトを集め、佐賀市の施設で署名を偽造していた疑いが浮上した。
リコール団体の田中孝博事務局長は関与を否定し、高須氏も関係性を否定しているが、広告関連会社側は事務局幹部からの依頼があったと主張し、説明に食い違いが生じている。
県警は、押収した署名簿を精査し、偽造の有無を確認する方針。
筆跡鑑定なども行うため、捜査には時間を要するとのことだ。